「反貧困」の著者であるモヤイ(湯浅誠)さんの講演会
地元の「生かそう憲法の会」が開催した講演会に、名著「反貧困」の著者にして、年末派遣村の村長でもある湯浅誠さんが出演されるとのことで、聴衆として参加した。タイトルに出したモヤイさんは、自衛隊勧誘の隊員が「雇止めにされた非正規労働者がモヤイを訪れたら、自衛隊を紹介してくれ」との文脈の中で頻りと発出するコトバである。初対面のセールスマンに「トヨタさん」「NTTさん」と呼びかけることはあっても、相手を確認できれば固有名詞で呼びかけるのが常識。相手を認めない役人根性が丸出しとみた。
講演内容は、「反貧困」で示されたすべり台社会と、それをカバーするはずの歯止めとしてのセーフティネットが破損していることを明らかにし、派遣村の設立はそれを1段階立ち戻るための行動だったとした。生存が脅かされる労働者をつくりだす社会は、現実的にも、長い目でみた歴史的にも巨大な損失であること。憲法では9条が25条の生存権を支えているとし、逆の関係も成立すると述べていた。それは追い詰められた非正規労働者が「戦争でもやってくれればいい」とまで語る現実で指摘できるとしていた。
岩波新書「反貧困」は、大仏次郎論壇賞と平和協同ジャーナリスト賞を受けた。データが多く集められていてたいへん説得力があるので当然と思っているが、それは、貧困の一つの現実から、多角的、重層的に分析して問題点を明らかにする手法に徹底しているからではないだろうか。エンゲルスに「イギリスにおける労働者階級の状態」があり、資本主義の原罪が明らかにされているという。この「反貧困」は、「現代日本における非正規労働者の状態」として貧困問題の原典になるような気がするのだが、思い込み過ぎだろうか。



Comments
こんばんわ。と言っても、もう朝ですが。
私達は、自主、自立という言葉の響きに取り込まれ過ぎたような気がします。読売新聞シリーズ「貧困」③の中で、湯浅さんは、「人をはじかない社会を」と言っている。同じシリーズ①で、高村薫氏が、「貧困層の自己責任を問うのなら、政府はいらない」と言っている。
貧困を生み出す社会をどう変えていくのか。その入り口を探している人は多いのではないか。駅の階段にホ-ムレスがたたずむ光景を、いつの日か、無くしたいと思います。
Posted by: 玉置恭介 | 2009.05.29 at 04:08 AM